JA0IAA

番外編 コンテストルール考

2007.9.18修正
 2001年に新規開催されたコンテスト(名前は諸事情により明確にしませんが、内容を読めばわかるはず!)のルール作成に参画しました。
 その中で、どんな点を考慮してルールを立案・決定したか?!を主催者の立場から書いてみます。
 主催者側にもそれなりの「想い」があるのです。このルールは変えるべきだ!という意見もあるかもしれませんが、まあ読んでみて下さい。
 コンテストを主催するにあたり検討したコンセプトを以下に記します。

1)参加部門をHFローバンド・7MHz・HFハイバンドの3部門に分け、それぞれ別日時に開催

 HFでローカルコンテストを開催すると、7MHzは盛況でも他のバンドは閑散とした状態になりがちです。
 7MHzならコンディションが安定していて確実にQSO数が稼げる → 不安定な他のバンドには力が入らない、電波を出す時間が少ない → XX MHzはワッチしても参加局が少ない、電波を出しても仕方がない → 7MHzだけに偏ったコンテスト・・・という図式があるように感じます。
 これを解消するため、部門をHFローバンド(1.9/3.5MHz)、7MHz、HFハイバンド(14/21/28MHz)の3つに分け、別の日時に開催しました。3部門に対し、それぞれ1部門ずつエントリー可とすることで、最大3部門まで参加可能です。
 同一時刻に参加出来るバンドを絞り込むことで、各バンドのアクティビティUPを図ろうというわけです。
 個人的には、特にHFハイバンドにこだわってみたかったのです。

2)コンテスト開催時間は各部門3〜4時間

 全国・各エリア支部開催コンテストならともかく、県支部やローカルクラブで主催するコンテストで開催時間を12〜24時間に設定するのは、入賞を目標とするコンテスターにとってはつらい話です。一部のバンドを除き1時間以内で相手がいなくなってしまう可能性大ですから、CQを連発していても時間半ばでギブアップしてしまうでしょう。結果として退屈なコンテストと判断されても止むを得ません。
 この不具合の対策として、1部門当たり3〜4時間のスプリント形式を採用しました。
 1)で述べた3部門分割の方法と合わせ、短期集中でオンエア・ワッチすれば参加もしやすいでしょうし、我慢してワッチも出来るだろうと考えました。
 まあ、次項で述べるような「他コンテストと重複しない時間」が長く取れないという理由もありましたが。
 短時間だと仕事等で時間が取れないと参加出来ない、12〜24時間あれば空いている数時間に参加出来るのに・・・という意見もありました。でも、コンテスト積極参加派はどちらを好むでしょうか?いつ登場するか分からない新参加者を待って12時間ずっとCQを出し、ワッチして待ってくれるでしょうか?

3)時間は他のコンテストの重複を極力避け、バンドコンディションを考慮し決定

 コンテストの開催日・時間も悩みのタネでした。原則ルールを以下のようにしました。
部門日時
7MHz5月の日曜日 13:00〜16:00
HFハイバンド(14-28MHz)5月の日曜日 16:00〜19:00
HFローバンド(1.9/3.5MHz)6月の日曜日 19:00〜22:00
 まず、新潟県でコンテストを開催するとすれば、12〜3月の冬季は移動が難しいため移動屋さんには不適です。さらに、HFハイバンドで国内コンテストを成功させるためにはEs発生頻度が高い5〜8月が最適でした。ここを外すと、ハイバンドは6/8エリア向けコンテストになってしまいます。
 ところが5-8月の期間で・・・・とコンテストカレンダーを見ると週末は一杯、空いている日がほとんど無く12時間開催なぞ不可能です。既存のコンテストとの重複も避けたいところです。
 6月第2週の日曜日はかつて他団体が県内コンテストを開催していた時間であり、その実績?で何とか確保しましたが、それとて3部門を1日でやるのは不可能でした。
 苦慮の結果、2部門を5月第3週の日曜日に開催することにしました。ローバンドは日没以降でなければコンテストになりません。一方ハイバンドは午前9〜12時頃と午後4〜7時頃にピークがあります。ここを配慮し時間を割り当てました。7MHzとハイバンドの時間帯を逆にすべきだ、という意見もありましたが、これではハイバンドが全滅です。(ハイバンドを運用したことのある『ベテラン』なら、ご存知ですね!
 本音を言えばハイバンドは午前中に持っていきたいところです。午前のほうがコンディションがオープンする確率が高いのです。
 どこかコンテスト時間を短縮する予定の団体ありませんかねぇ(^^;)。
 ローバンドの時間を19:00からとしたのは、せめて日曜日の夜くらいは家族と一緒にご飯が食べられるように、という配慮です。「パパ、今日もCQコンテスト!?」と奥さんや子供に言われないように・・決して自分の姿じゃありませんが(^^;)。

4)参加部門は「電信電話」「電信」「電話」の3部門

 従来コンテストの多くに見られる「電信電話」「電信」部門だけでは、4アマは不利です。参加する意欲すら奪ってしまいそうです。
 参加部門が細かくなることを覚悟の上で、「電話部門」を設けました。

5)1.9MHz部門・ローバンドマルチ・ハイバンドマルチの部門あり

 従来のJARLコンテストルールに1.9MHzを追加しました。1.9MHzも根強い人気があり、この数時間ワッチすれば新潟県内の局とQSO出来る!、県内の局はパイルを浴びることが出来る!と、参加者に期待を持って欲しいという思いが入っています。
 また、3部門に日時を分割したためマルチ部門の定義が複雑になります。検討した結果、ローバンドマルチ・ハイバンドマルチ部門を追加しました。

6)電子ログを受付

 電子ログは時代の流れです。審査上プリントアウトは必要なのですが、手間はサービスでやることにしました。

7)結果発表もHPとe-mailで

 結果がJARL NEWSに出るまで分からない、では時間がかかりすぎます。HPで発表すると同時に、e-mailアドレスを書いていただいた方には結果をメールでお送りすることにしました。
 HPに掲載しただけでは、HPを訪問しない限り結果はわかりません。小さなコンテストゆえ、一歩踏み込んだアクションを取ってみました。

8)ログのサイズはJARL規格に準じたA4サイズ限定

 最近、ログのサイズを巡る議論が増えつつあります。何故B5じゃダメなのだ!という意見もいただきます。
 これは審査・資料保管する立場からの要望です。同じサイズ・書式でないとファイル保管・資料検索も面倒で、結果集計の段階でミスを発生させる要因になります。保管審査者の手間を配慮していただきたいと考えます。
 このあたりは、書類の書き方をご覧下さい。

最後に

 コンテストルールはどのようにして決まるのでしょうか。主催者は何らかの意図を持っているのですが、従来は表現する機会がほとんど無かったように思います。
 少し前までは、ルール発表はJARL NEWSかCQ誌に頼っていました。限られたスペースではルールの一部すら省略されることもありますから、主催者からのメッセージはほとんど掲載されません。
 しかし、今はインターネットがあります。原作者がwebを通じてスペースを気にすることなく必要なことを記すことが可能です。
 今は主催者ではありませんが、「元」関係者の一個人として(Hi)申し上げましょう。現主催者とは一切関係ありませんので、念のため。
 参加者からルールに対する意見を多数いただきますが、当初の趣旨から外れる内容が散見されます。コメント集は個人の意見を公開するわけで、極端な的外れな意見は他の参加者の失笑を買うだけですが、首をかしげたくなる意見が後を絶たないのは残念なことです。
 例えば、「時間が短すぎる」「時間はXX時から始めるべきだ」「日・時間の設定が良くない」・・・・・・。こちらは、上記のようなことを考えてルールを決めたのです。他のコンテストとの重複を避け、かつコンディションの開く可能性のある時間を設定したつもりです。自分たちだけの都合でルール決定は出来ません。
 提案者が、具体的な変更案を持っているとは思えない(適当な時間は残っていない)のですが・・・・。提案するなら、XX月XX日の何時が適当ですヨ、と書いてほしいものです。
 今後、主催者側からの回答と趣旨説明は広くPRすべきでしょう。上に記した内容は、委員会のwebで掲載して理解を求めましたし、現在も同じ文章が読めます。結果発表の総評にも数回PRしたことがあります。
 まだPR不足なのでしょうね。現在の役員の皆さんに一層の活躍をお願いしたいところです。言われるばかりでは、一方的にパンチを浴びせられるボクサーみたいで、私は好きではありませんHi!
 主張すべきことは明確に記すべきでしょう。「次回までに検討」とか「貴重なご意見に感謝」なんて書けば、相手の主張を認めたのと同じです。政治家のような、あやふやな表現はいけません。
 以前、某県の結果発表の冊子を読んだことがありますが、意見の後に主催者からのコメントを多数併記していたことに驚きました。参考になる意見は認め、実現が難しい意見はやんわりと断っていました。
 ここまで書いてあれば、いつか接点が見出せるものと思います。
  (「接点」が見つけられない人は、いずれ参加しなくなりますHi)
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