JA0 VHFコンテストの変遷 −参加局の推移−

2009.12.26作成

参考文献

 JA0 VHFコンテストの参加局(ログ提出局)の推移をまとめてみました。データはJARL NEWSが主ですが、JARL JA0 NEWSからも引用しました。
 以下、参加局=ログ提出局として説明します。
 JARL JA0 NEWSって何?と言われそうですが、信越支部でもNEWSを発行していました。比較的新しいものは、タブロイド版(昔のJARL NEWSと同じで、大都市圏で販売されている夕刊XXという小さめの新聞と同じサイズ)の印刷物、さらに前は文字の並びがやや不規則なB5サイズ10ページ程度の冊子です。

参加局推移グラフ 

 以下に、第1回から46回までの参加局の推移をまとめました。
 個人局・クラブ局・クラブ対抗参加局に分けて棒グラフ表示しています。一部データが無い箇所があります。
 結果から参加数を数えたので、若干の誤差があるかもしれません。
 グラフの箇所のみ、横幅900pxとしました。
 1973年から、新潟・長野両県に分けて順位を発表するようになりました。また、クラブ対抗部門は1973年から始まったらしく、以前のデータには掲載されていません。
 1975年は、JARL NEWSには上位局のみしか掲載されておらず、総数は不明でした。1977年はJARL NEWSでは結果が見当たりませんでした。いずれも、支部大会で配布される冊子には掲載されているはずです。
個人局
社団局
クラブ対抗

興味ある結果

 第1回は参加総数58局でスタート、アマチュア局増加とともに増えていきましたが、1990年前半をピークに減少し、現在は個人局で見るとピークの1/3です。40年前に戻ったような感じです。
 JARL会員数の推移データも調べましたが、同様の傾向があり、無線人口の変化の影響であることは否めません。
 個人参加局とJARL会員数には相関がありますが、社団参加局(クラブコールで参加した局)は1970年後半から1980年半ばに多く、その後1990年台・2000年と徐々に現象しています。
 クラブ対抗は1990年半ばまでは個人局と同様に増加し、その後減少していますが、個人局ほど変化はありません。
 1980年台まではクラブコールで参加、オペレータが持ち回りで運用するスタイルが多かったと思います。その後、クラブ参加から一人一人がフルオペレート可能な個人参加に変わっていったのでしょう。個人の得点を集計するクラブ対抗に力が入っていったのも、この流れです。
 1990年半ばからは個人参加が減少しましたが、クラブ対抗で頑張る人たちが残っており、1クラブ当たりの参加局数は少なくなっても、クラブ対抗のエントリー数減は食い止められているようです。
 無線の楽しみ方の多様化、クラブの集団活動よりも個人活動重視の価値観、インターネットの普及で趣味の対象が変わった等、参加局の減少理由にはいくつかあると考えます。
 活性化=参加局を増やすには、どうすべきか?ですね。各地域クラブ・特殊クラブの活動を促進し、引っぱってもらうのが得策でしょうか。

トリビアなネタ

 結果の資料を見たら、またトリビアなネタが見つかりました。
第1回は、個人局・社団局の区分がなかった
プリフィックスがJA0だけの時、コールサインはJA0を省略し「●△□」と表記していた
ログ未提出局とのQSOは減点、明記された時期があった
結果の他に、ログ未提出局のコールが掲載されたことがあった
ログ未提出・失格の個人局が、ログ提出局とほぼ同数になった事があった
 以下、ご紹介します。

第1回は、個人局・社団局の区分がなかった

 第1回の結果を見たら、第1位はクラブ局・・・・・、トップはJA0YCD、長岡クラブです。運用の様子は不明ですが、他に4局のクラブコールがありました。
 ルールの参加資格では、個人局・社団局の区分がなく「アマチュア局」だけ、賞の項目にも明記されていませんでした。
 第4回から、賞の項目に個人局と社団局に分けて表彰する旨、記載されました。第2回・3回の結果がありませんが、区分は無かったと推定されます。 

プリフィックスがJA0だけの時、コールサインはJAを省略し「0●△□」と表記していた

 JA0のコールサインをお持ちの方ならご存じでしょう。プリフィックスを正確に書かず、JA0を省略して表示していたことがあります。 これは過去のJARL NEWS、CQ誌でも行なわれており、最初2文字がJAしか無い時代のなごりです。JNやCQではエリアナンバーを付けて、0xxxとしていました。
QSOでも、「0xxx聞いていますか、0zzz」と呼び出していたくらいです。
 その後JA0を加えるようになりましたが、表では一番上にJA0を表記し、以下は「〃」で簡略化しているものが一般的でした。

ログ未提出局とのQSOは減点?、明記された時期があった

 減点を明記している結果がありました。上記第1回以外に第3回の結果を以下に示しますが、上位19名の交信局数・得点・サマリー得点・未提出局数です。サマリー得点は、サマリーで申告した点数、得点は審査後の最終得点と思われます。
 得点が28MHz:1点、50MHz:2点、144MHz:3点、430MHz:4点、1.2GHz以上:5点です。未提出局数X2ないしX3すると、減った得点になるようです。
 20位以下は交信局数と得点のみ発表されていますが、10局以上交信しても得点0という方もいます。理由はともあれ、厳格な審査がなされたのでしょう。
 なお、期限後にログが到着した局は、未提出局に含まれています。

結果の他に、ログ未提出局のコールが掲載されたことがあった

 ログを提出しない局のコールサインを明記した時期がありました。参加局数が少ない初期は、ログを照合することが可能でした。
 しかし、コールを聞き違えたりログに記載ミスをした場合がなかったのでしょうか。参加しなかった局が、未提出局に自分のコールがあってビックリ、調べたら提出されたログの間違いだった・・・・という可能性もあったはずです。免許もリグも無いのにリストアップされたら困ります。

ログ未提出・失格の個人局が、ログ提出局とほぼ同数になった事があった

 上記のようにミスコールもあり得るので、未提出の局数が正確な値とは思えないのですが、ログ未提出・失格の個人局数が提出局数とほぼ同じになったことがありました。
 1973年まで局数が公表されていたので、データを右グラフにまとめました。
 1970年は失格23局・未提出171局で計194局、提出局が195局でしたHi。
 ログ提出の義務はないのですが、なるべく提出していただきたいものです。  また、知人の点数アップのためのQSO(援助QSOという言葉もあるそうでHi)だけでなく、広くナンバー交換をしていただきたいところです。